ここでは「345の法則」について解説します。
「345の法則」をマスターすればDIYで独立基礎を作るようになれます。独立基礎の作り方はコチラ
1.ピタゴラスの定理(三平方の定理)
建築の世界で「345の法則」という言葉があります。
基礎等を作る場面で直角を出す時使われる手法です。
直角は面積が大きくなる建築の世界では水平とならんでとても重要な要素のひとつで正確な寸法の建築をおこなうためには軽視できないものとなっています。
345の法則は中学校の数学で習ったピタゴラスの定理(三平方の定理)というものを応用したものです。

ピタゴラスの定理とは
c²=a²+b²という等式で表現します。
直角三角形をなす3辺の内、2辺の長さを知ることができれば、残りの1辺の長さを知ることができる。
逆に言えば3辺の長さが特定の長さのときはその三角形は直角三角形になるということです。これを利用して直角を求めます。
ここに赤青緑の3つの正方形があるとします。
- 赤の正方形の辺は3で面積は9
- 青の正方形の辺は4で面積は16
- 緑の正方形の辺は5で面積は25
です。
3つの正方形の頂点を接触するように三角形をつくるとその三角形は直角三角形になります。また3と4の正方形の間にできる角度が90°になります。
このとき3つの正方形の面積には
25=9+16
という関係が成り立ちこれを変形すると
5=√(9+16)となります。
つまり3の辺、4の辺、5の辺で三角形をつくると自然と直角が出来上がるのです。
2.実践
具体的には

- ①基準の線を引いて直角を作りたい点Oを指定します。(点Oが直角をつくりたい場所になります。)
- ②点Oから3のところに印Aをつけます。
- ③基準の線から直角を意識して4のところに印Bをつけます。
- ④印Aと印Bを結んだ線が5になったとき点Oには直角ができます。
他にも巻き尺使った方法を紹介します。
巻き尺を3人で持ち、それぞれが「0」と「3」と「3+4」と「3+4+5の倍数」の数字をおさえて(最初と最後は同じ人)、直角三角形を作ればそこに直角が現れます。
3.直角の重要さ
試しにノートに直角を描いてみましょう。
おそらくは綺麗な直角が書けたかと思いますが所詮は10数センチ程度の直角です。
これが数メートル規模の直角になると誤差が顕著に出ます。
例えば直角が0.5°ズレて89.5°になっただけでも5m(5000mm)先では約40mmのズレが生じます。
10m(10000mm)先なら生じるズレは約80mmまで広がります。
建築をする上で80mmもズレが生じれば壁と壁の間に大きな隙間ができたり窓が閉まらなかったりたくさんの弊害が発生します。
寸法誤差は3mm以内に収めないと修正がむずかしくなります。
それだけ直角を作るということは建築の世界では重要なことなのです。

10cmの程度ならほぼズレのない二つの三角形でも…。
10m先では80mmズレが生じてしまいます。
建築現場での直角作製になるとノートと違って直角に正対できないのでこの手法を使わないと直角を出したつもりでも上から見たらきっとガタガタになってしまうでしょう。
4.「345の法則」をマスターしたら
345の法則をマスターしたら独立基礎や90°のフェンスを作ることができます。
がんばってDIYに挑戦してみましょう。
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